白内障について
眼球には、レンズの役割を持っている「角膜」と「水晶体」があります。黒目の表面が角膜、瞳の奥にあるのが水晶体です。白内障とは、この水晶体が混濁した状態になってしまう病気のことです。
水晶体は直径約10mm、厚み4mmの大きさの凸型のレンズで、光を集めたりピントを合わせたりする働きを持っています。中身は主にタンパク質で、正常な状態では透明です。しかし、老化をはじめさまざまな原因でたんぱく質が変性し、混濁していくと、やがて白内障となっていきます。これは、卵に熱を加えると、もともと透明な白身が白濁し硬くなるのに似ています。タンパク質は、もともとそういう性質を持っているのです。
緑内障について
何らかの原因で眼球と脳をつなぐ視神経が障害され、視野(見える範囲)に特徴的な異常を生じる病気です。日本人では、40歳以上の人の約5%が罹患していることがわかっており、日本人の中途失明原因として最も多く、約20%を占めます。
緑内障の原因はわかっていません。そもそも単一の病気ではなく、複数のタイプの緑内障があり、それぞれ症状の経過や治療法も異なります。
糖尿病網膜症について
糖尿病によって網膜(白目の内側の壁に張り付いている膜状の組織。神経の細胞があり、カメラにたとえるとフィルムや画像素子に該当)の血管が傷んでしまう病気です。日本人の中途失明原因として緑内障に次いで2番目に多く、19%を占めます。
一般的に、糖尿病に罹患後5~15年で発症することが多いのですが、糖尿病の治療状況によっては発症時期に個人差があります。
加齢黄班変性について
目の中に異常な血管が生えることが原因で、網膜にある黄斑(おうはん)に出血や網膜剥離などを生じる病気です。黄斑は網膜の中央に位置し、文字や細かいものを見分けるのに大切な場所です。その黄斑が障害を受けることで、中心部に見えないところや歪んで見えるところが生じ、視力が低下します。
もともと欧米人に多いことで知られていましたが、日本では50歳以上の1.2%にみられ、日本人の失明原因としては4番目に多い病気です。加齢、喫煙、高脂肪食などの偏った食生活、太陽光などが発病に関係しており、患者数は年々増える傾向にあります。
よくある眼の病気
近視、遠視、弱視、ドライアイ、飛蚊症(ひぶんしょう)、翼状片など、よくある眼の病気について紹介します。